島唄 / Shima-uta

あの有名な、THE BOOMの「島唄」は、

単なる「失恋」の歌かと思いきや・・・
沖縄地上戦を歌ったものだったのだということ、
ご存知でしたか?
そのことをシマンチュ(沖縄人)の友人から教えてもらった時は、
涙がはらはらとこぼれました。

「島唄」は、ボーカルの宮沢和史さんが作詞・作曲したものです。
曲中に出てくる「でいごの花」は、赤く、
「花が咲き乱れ・・・花も散り」・・・で、
散った命を表現しているのだそうです。

意訳つきの歌詞をご紹介します。

『島唄』

でいごの花が咲き
風を呼び 嵐が来た

(災厄を告げるという でいごの花が咲き、
(1945.4.1)沖縄本島に米軍が上陸した)

でいごが咲き乱れ
風を呼び 嵐が来た
繰りかへす哀しみは 島わたる 波のよう

(でいごが咲き乱れる1945.4-6月に、
 寄せ引く波の様に、殺戮は繰り返された)

ウージぬ森で あなたと出会い
ウージぬ下で 千代にさよなら

(サトウキビ畑であなたと出会い
 (ガマ)鍾乳穴の防空壕で
 君が代にいう永久の御代との別れ)

島唄よ 風にのり
鳥と共に 海を渡れ
島唄よ 風にのり 
届けておくれ わたしぬ涙

(島唄よ 風にのり
 しびとの魂(鳥)と共に 海を渡れ
 島唄よ 風にのり 
 本土に伝えておくれ、沖縄の悲哀を)

でいごの花も散り
さざ波がゆれるだけ
ささやかな幸せは うたかたぬ波の花

(でいごの花も散る1945.6.23に
 戦闘も終わり、宝より大切な命が散り、
 生き残っている者もあまりいない
 日常生活は、簡単に消え去った)

ウージぬ森で うたった友よ
ウージぬ下で 八千代ぬ別れ

(さとうきび畑で謡いあったあの人は
 防空壕の中で、戦闘によって死んだ)

島唄よ 風に乗り
鳥とともに 海を渡れ
島唄よ 風に乗り
届けておくれ 私の愛を

(沖縄の思いよ、風に乗って
 魂と共に、海を越えて
 (あの人の居るニライ・カナイ=天国へ)
 島唄よ 風に乗り
 (ニライカナイへ)届けておくれ 私の愛を)

海よ
宇宙よ
神よ
いのちよ
このまま永遠に夕凪を

(海よ
 宇宙よ
 神よ(豊穣をもたらす)
 いのちよ(何物にも代え難い命という宝よ)
 このまま永遠に夕凪(平和)を(祈る))

朝日新聞に宮沢和史さんの
コラムが掲載されていたようです。
引用させていただきます。

『島唄』は、
本当はたった一人のおばあさんに
聴いてもらいたくて作った歌だ。

91年冬、
沖縄音楽にのめりこんでいたぼくは、
沖縄の『ひめゆり平和記念資料館』を初めて訪れた。

そこで『ひめゆり学徒隊』の
生き残りのおばあさんに出会い、
本土決戦を引き延ばすための
『捨て石』とされた激しい沖縄地上戦で
大勢の住民が犠牲になった事を知った。

捕虜になる事を恐れた
肉親同士が互いに殺し合う。

極限状況の話を聞くうちにぼくは、
そんな事実も知らずに生きてきた
無知な自分に怒りさえ覚えた。

資料館は自分があたかもガマ(自然洞窟)の
中にいるような造りになっている。

このような場所で集団自決した
人々のことを思うと涙が止まらなかった。

だが、その資料館から一歩外に出ると、
ウージ(さとうきび)が静かに風に揺れている。

この対比を曲にして
おばあさんに聴いてもらいたいと思った。

歌詞の中に、
ガマの中で自決した2人を歌った部分がある。

『ウージの森で あなたと出会い ウージの下で 千代にさよなら』という下りだ。

『島唄』はレとラがない沖縄音階で作ったが、
この部分は本土で使われている音階に戻した。

2人は本土の犠牲になったのだから。

東京で生まれ育ち、長年の欧米生活経験のある私にとって、
日本の「境界線」、しかも小さな島に住むのは初めての経験ですし、
それはそれはいろいろなカルチャーショックに直面します。

それでも、わたしにできることってなんだろう?
・・・何らかの形で島の役に立ちたいという気持ちは、無いわけではないのですが、
「島唄」のほんとうの意味を知ると、
それさえも薄っぺらいように思えてきます。

ならば、できることがあるとすれば、
芸能文化を通して、島と島人の心を理解すること。
そしてそれをスポンジのように吸収し、
じぶんの表現に繋げていくこと。
伝えていくこと。

それに尽きるのではないか。

さる7/19日の石垣島星野祭りでは、
私の主宰するベリーダンス・サークル「マーペー」の3人が踊りを披露しました。
私は、この「島唄」を踊りました。
その日、マレーシア航空機撃墜に個人的な想いがあったことや、
さまざまな別れと出会いがあり、
「さようなら」と、「ありがとう」がじぶんの中で渦巻く中、
心の中で泣き、踊りで微笑みました。
わたしは表現を通して、そういった感情を昇華させ、乗り越えて行くのだと思います。