作品「Viral Parfum」がみごとエキスペリメンタル・アートの賞サダキチ・アワードに輝きました!

日本語では初のご報告になります。アメリカより戻って1週間が経ちますが、まだ夢心地です。

今回は World Perfumery Congress という世界的な香料会社のカンファレンスにて、作品「Viral Parfum」がエキスペリメンタル・アートの賞 サダキチ・アワード という名誉な賞をいただきました。(Art and Olfaction Awards)

この賞の創設当時から応募し続け、記憶の中のあいまいな数字ですが、通算7回開催されており、うち6回応募、5回入賞、といった好成績の中で、いちども大賞を取ったことがなく、毎回悔しい思いをしていました。


入賞者の中には嗅覚アートを主なフィールドにしている作家は案外少なく、たまに匂いを使ったら入賞したというのも多く、コンセプト重視・体験重視の立体空間を作る私のような作家は、アワードとして評価を得るのは難しいということを痛感していました。そもそも毎年審査員が入れ替わり、嗅覚アートの美学も黎明期であるがゆえに未確立です。


そんな中、2回以上入賞する作家は非常に珍しく、そのため万年入賞者であることはある意味すごいことかもしれないと捉え、毎年1つ以上の作品を自信持って応募すること、それを入賞させることを目標に、ここ数年はがんばっていました。これならアートに不利な日本の僻地でもできる、と。そもそも嗅覚アートの新作を日本で作り発表し続けるのって、そもそも不可能に近いのですが。


今年はコロナ後ということで、数年ぶりに開催されるアワードです。そのため応募作品数も数年分にふくらんだそうです。私自身も、自信作を2つ送り出し、その2つどちらも入賞してもおかしくないという作品でした。結果的には、コロナを題材にしたものがやはり共感を得て、勝ちました。


社会的な題材を扱うことは、学生の頃にたくさんやったもので、嗅覚アートを始めてからはしばらく封印してきました。最近になってようやくその技量が追いつき、まともに表現できるようになったと感じています。今後も制作をがんばり、挑戦者の姿勢を変えず応募し続け、このアートシーンの普及に貢献したいと思います。

これまでわたしを信じ、支えてくださった世界中の方々に、心からお礼を申し上げたいと思います。

アトリエ移転しました!

アトリエ移転のお知らせです。

おもと集落の「古民家アトリエ」から、米原ビーチ近くの新拠点へ移転しました。

昨年11月の嵐により、枯れ木が屋根を直撃し、屋根が一部崩壊。

建物の寿命もあり、次の台風シーズンへの懸念から、移転を決意しました。

こちらの大家さんには、たいへんお世話になりました。

もともと破格の家賃なうえに、息子の看病で収入がなくなってしまった時期など、

大家さんご自身も闘病中にもかかわらず、

「まずは生活を立て直しなさい。あんたが大丈夫になったらもってきてくれ。」

と家賃を突き返されるという、、、

せめてもとお歳暮などを持っていくと

「あんたも大変なんだから、持ってくるな、ほんとにいいから。」

と、ぶっきらぼうにいろいろ突き返されるという驚くべき体験をし、

これを書いている今でも目頭が熱くなります。

沖縄の、石垣の方(とはいえ北谷からの強制入植の方とうかがってます)の心意気は

宝石のようにキラキラしていて純粋で、

欧米で慣れてしまった冷静でロジカルな論理を「心」と勘違いしてここにやってきた私は

ややめんくらうとともに、ジーンとしてしまう場面ばかりでした。

撮影で芸能人が数多くいらっしゃいましたが、なかでも鈴木紗理奈さんがいらした後に、

新たにトイレがきれいに作られていて、びっくり!笑

おそらくテレビで見ていただいたのだな、喜んでいただいたのだなと、

少しばかり恩返しができたかなと、、、、。

「あんた、ほんとにすごいな」

と何度も敬いの言葉をかけていただき、

なかなか理解しづらい私の仕事を、よくわからないなりにもおもしろがってくださることが伝わりました。

映像や写真には映らない、この「心」の部分を少しでも残せればと、

記してみましたが、ジーンときますね。

新拠点は私の住居から徒歩30秒。

その美さで世界的にも有名な「米原ビーチ」のすぐ近くにあり、

この集落は読谷からの強制入植により作られた集落なのですが、

その歴史において礎ともなったキリスト教の礼拝所だったところ。

場のエネルギーも明るくてあったかくて、素敵な場所です。

息子をこの集落で育てたおかげで、周りは息子にもゆかりのある方だらけ。(息子よ、ありがとう!)

この集落とのご縁に感謝いたします。

これまで続けてきた対面型の体験ワークショップは、

コロナ禍もあり、しばしお休みです。

今後も予約制であることには変わりませんが、

どのような形でみなさんに開いた形にできるかは、しばらく再検討したいと思います。

以前よりは在庫を持つことができそうだし、

自宅のすぐそばだし、米原ビーチにも近いし、

予約制でフレグランスを実際に体験しながら購入できるような

「ショップ」と「サロン」の中間という形も良いかもなー、と。

でもまずはコロナよ、早く過ぎ去っておくれ!