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温室効果ガス(GHG)の調香

ふつうはフレグランス(パフューム、香水ともいう)を作るために使う調香スキル。これをもってアートの場で、社会に一石を投ずることができないか、考えています。

もしコモンズ(共有財産・資源)として空気と匂いを考えるのであれば、さまざまなフォーカスポイントが考えられます。たとえばミクロに見ると、満員電車で大勢の人と共有している空気と匂い。もっとミクロに見ると、家で、あるいはオフィスで、隣の人と共有している空気と匂い。

でもマクロに見ると、空気、そして地球をとりまく大気は、地球上の生物がみんなで共有しているものといえます。あまりに大きすぎて、個々の生物は知覚できないようなスケールです。匂いや空気に境界線はなく、自由に動き回る(対流する)性質があります。

昨今の東京は暑いです。明らかに気候が変わりつつあることは、誰もが感じています。気候変動が起きている原因は、二酸化炭素(CO₂)、メタン(CH₄)、一酸化二窒素(N₂O)などの温室効果ガス(GHG)といわれます。これもコモンズとして空気や大気を見た時に、人類が共有すべき問題であり課題であります。

実際のところ、これらの温室効果ガスは人間の活動とどう関係しているのでしょうか? 私たちに何ができるのでしょうか? そういったことを学んだり考えたりする材料として、調香スキルを使って匂いを作ってみるのであれば、未来の社会にとって意義のあることなのではないか。そう考えいます。

昨年、スペインのアーティスト Yolanda Uriz の要請で、NO2(二酸化窒素)とO3(オゾン)の調香ワークショップをオンラインでやりましたので、その時の写真をご紹介します。彼女はわたしがオランダの芸大で教えた生徒ですが、匂いを駆使するアーティストに成長しています。